浅田彰氏の『逃走論』で提唱された概念「スキゾ」と「パラノ」の説明です。
スキゾ、パラノ とは?
スキゾとパラノは、浅田彰氏の著書『逃走論』(1986年)の中で提唱された概念です。
スキゾは、様々なことに興味を持ち、一つのことにこだわらない人です。
パラノは、一つのことに熱中し、他のことは全く考えない人です。
浅田氏は、現代社会はますます複雑化・多様化しており、それに伴って人々の価値観や生き方も多様化していると指摘しました。
そして、そうした多様化した社会の中で生きていくためには、スキゾ的な特性を持つことが重要であると主張しました。
スキゾ的な特性とは、固定観念にとらわれず、新しいことに挑戦する力、異なる視点から物事を見る力、柔軟に変化に対応する力などのことです。
パラノ的な特性とは、一つのことに熱中し、目標を達成する力、困難に立ち向かう力、強い意志を持つ力などのことです。
浅田氏は、スキゾとパラノの両方の特性を併せ持つことが、現代社会を生き抜く上で重要であると主張しました。
『逃走論』は、1986年に出版された当時、大きな反響を呼びました。
その理由の一つは、浅田氏が当時の社会の変化を鋭く捉え、その中で生きていくためのヒントを与えていたからです。
また、浅田氏の独特の文体も、多くの人々に支持されました。
『逃走論』は、1984年の流行語大賞新語部門銅賞を受賞しました。
この言葉は、その後も広く使われるようになり、現代社会の変化を象徴する言葉の一つとなっています。
スキゾ、パラノは元々何の用語?どこからきているの?
『スキゾ』(スキゾフレニア)と『パラノ』(パラノイア)は、精神疾患の一種であり、主に精神医学の分野で使われる用語です。
『スキゾフレニア』は「統合失調症」
『スキゾフレニア』は、一般的には「統合失調症」とも呼ばれ、脳の機能や思考、感情、行動に深刻な変化をもたらす疾患です。
この病気の特徴は、現実感の喪失、妄想、幻覚、無関心や社会的な引きこもり、感情の鈍化などがあります。
スキゾフレニアは、思考の混乱や認知機能の低下、言語や情緒の異常など、さまざまな症状を引き起こすことがあります。
治療は通常、抗精神病薬や心理療法などの組み合わせで行われます。
『パラノイア』は、「妄想性障害」
『パラノイア』は、妄想性障害とも呼ばれ、持続的な不審や妄想が特徴的な疾患です。
パラノイアでは、個人は周囲の人々や状況に対して不審や猜疑心を抱き、自分が追われている、監視されている、裏切られているなどと信じる傾向があります。
この病気では、人間関係や日常生活において問題を引き起こすことがあります。
治療は、抗精神病薬や心理療法、サポートグループなどが一般的に使用されます。
まとめ
浅田彰氏の著書『逃走論』で使用される「スキゾ」と「パラノ」は、精神疾患の『スキゾフレニア』『パラノイア』略ではなく、そうした傾向性を持った新しいタイプの人間を表す言葉です。
スキゾは、さまざまなことに興味を持ち、一つのことに固執しない人です。
パラノは、一つのことに熱中し、他のことに注意を払わない人です。
- スキゾ
- さまざまなことに興味を持つ
- 一つのことに固執しない
- パラノ
- 一つのことに熱中
- 他のことに注意を払わない
あなたはどちらのタイプですか?
スキゾとパラノの両方の特性をバランスよく併せ持ち、現代社会を生き抜く力を養いましょう。