パラレルワールド

この記事では、量子力学の観点からパラレルワールドについて説明します。

量子力学の基礎的なことに関しては、用語集「量子力学」の項目を参照してください。

量子力学とパラレルワールドの関係は？

量子力学における「パラレルワールド（多世界解釈）」は、一般的な物理学の中で受け入れられた解釈ではありませんが、一部の物理学者や哲学者によって支持されています。

量子力学では、測定する前の状態については確率的にしか予測できないことが特徴です。

つまり、ある系がある状態にあるとき、観測によってそれがどのような状態になるかを予測することはできないということです。

しかし、量子力学においては、観測によって系の状態が決まるという考え方があります。

このとき、観測によって系の状態が決まる前に、複数の状態が重ね合わされていたとすると、観測によって系がどの状態になるかは確率的に決まることになります。

このような考え方から、多世界解釈が生まれました。

多世界解釈では、観測によって系の状態が決まるという考え方を否定し、観測前に存在するすべての状態が、それぞれの宇宙に分岐して存在しているとする解釈です。

つまり、ある状態にある系が、観測によって別の状態になるとき、それぞれの状態がそれぞれの宇宙で分岐し、それぞれの宇宙でそれぞれの状態が存在していると考えるわけです。

ただし、多世界解釈は一部の物理学者によって支持されているものの、一般的な物理学の中で受け入れられた解釈ではありません。

また、多世界解釈については、哲学的な議論が多く含まれるため、科学的な実証が難しいという問題もあります。