カカオ豆を、外皮と胚芽を取り除いた胚乳部だけを砕いたスーパーフード「カカオニブ」の解説です。
後半でカカオニブを使った簡単レシピも紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
カカオニブとは?
カカオニブとは、カカオ豆をローストして細かく砕いたもの。
チョコレートやカカオの原料となるカカオ豆を、外皮と胚芽を取り除いた胚乳部だけを砕いたもので、そのまま食べても美味しく、栄養価も高いことから、近年注目を集めているスーパーフードです。
カカオニブはカカオポリフェノールが豊富
高カカオのチョコレートやカカオニブには、ポリフェノールが豊富に含まれていますが、当然のことながらカカオ豆の含有量が多いほど、ポリフェノールの含有量も増えます。
具体的には、カカオ豆の含有量が70%以上のチョコレートには、ポリフェノールが100gあたり約300mg含まれています。
カカオニブは、100%カカオ豆なので、ロースト具合の違いなどがありますが、高カカオチョコレートよりもポリフェノールが多く含まれるはずですね。
実際に、カカオニブのポリフェノール含有量を調べた研究では、100gあたり約300〜400mgのポリフェノールが含まれていると報告されています。
これは、りんごの約2倍以上、赤ワインや緑茶の約5倍以上の量です。
高カカオチョコレートやカカオニブを適量摂取することで、以下のような健康効果が期待できます。
- 血圧低下
- 動脈硬化予防
- 脳梗塞や心筋梗塞の予防
- 老化防止
- 免疫力アップ
ただし、高カカオチョコレートやカカオニブは、カカオポリフェノールの含有量が高い一方で、カロリーや糖質も高めです。そのため、食べ過ぎには注意が必要です。
厚生労働省は、チョコレートを1日あたり25g程度を目安に摂取することを推奨しています。
次に、カカオニブと高カカオのチョコレートの主な違いを比較することで、さらにカカオニブに対する理解を深めたいと思います。
カカオニブと高カカオチョコレートの違い
カカオニブと高カカオのチョコレートの主な違いは、以下のとおりです。
項目 | 高カカオのチョコレート | カカオニブ |
---|---|---|
カカオ豆の含有量 | 70%以上 | 100% |
添加物 | 砂糖、甘味料、香料、保存料が含まれているものが多い | 添加物が一切含まれていないものが多い |
風味 | 苦味と酸味のバランスがよい | 苦味と酸味、ナッツのような香ばしさが強い |
食感 | なめらか | カリッとした食感 |
食べ方 | そのまま食べる、料理やスイーツに使う | そのまま食べる、料理やスイーツに使う |
カカオニブは、高カカオのチョコレートよりもカカオ豆の含有量が100%と高いため、よりカカオの風味をダイレクトに味わうことができます。
また、添加物が一切含まれていないものが多いため、健康志向の方におすすめです。
カカオニブは、そのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトやパンケーキなどのトッピングや、料理の隠し味として使うのもおすすめです。
カカオニブと高カカオチョコレートのカロリーと糖質の比較
高カカオチョコレートとカカオニブは、カカオポリフェノールの含有量が高い一方で、カロリーや糖質も意外と高めです。
チョコレートほどではないにしても、加糖していないカカオニブの糖質が「意外と高いんだな」ということが、以下の表で分かりますよね。
食品 | カロリー | 糖質 |
---|---|---|
カカオニブ(無糖) | 450kcal | 20g |
ミルクチョコレート | 550kcal | 40g |
ダークチョコレート(70%) | 500kcal | 25g |
カカオニブには、カカオ豆に含まれる糖質がそのまま含まれているため、糖質は高くなります。
しかし、チョコレートのように「砂糖や人工甘味料で加糖」していないという、せっかくの利点がありますので、甘くしたい場合でもなるべく「天然の甘味料やフルーツなどの自然の甘さ」を利用することがおすすめです。
カカオニブを摂取する際には、他の食材との組み合わせを考慮し、カロリーや糖質の摂取量に注意しましょう。
カロリーや糖質の過剰摂取は、肥満や病気の原因になるため、適量を意識した食生活を心がけてください。
カカオニブの特徴
カカオニブの特徴は、以下のとおりです。
- 苦味と酸味、甘味のバランスがよい
- ナッツのような香ばしい風味
- カリッとした食感
- 栄養価が高い
カカオニブの栄養価は、以下のとおりです。
- 食物繊維
- 鉄分
- マグネシウム
- ポリフェノール
食物繊維は、腸内環境を整え、便秘の解消やダイエットに効果的です。
鉄分は、貧血の予防に役立ちます。マグネシウムは、疲労回復やむくみ解消に効果的です。
ポリフェノールは、抗酸化作用や血圧低下作用など、さまざまな健康効果が期待されています。
カカオニブは、そのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトやパンケーキなどのトッピングや、料理の隠し味として使うのもおすすめです。
以下に、カカオニブの食べ方をいくつかご紹介します。
- そのまま食べる
- ヨーグルトやパンケーキなどのトッピングにする
- 料理の隠し味にする
- スムージーやジュースに加える
- クッキーやケーキなどの材料にする
カカオニブの品種の種類と特徴
カカオニブの品種は、大きく分けて以下の3種類があります。
- クリオロ種
- カカオニブの原種であり、最も高品質とされている
- 苦味と酸味のバランスがよく、ナッツのような香ばしい風味が特徴
- 世界のカカオ生産量の約5%を占める
- フォーラステロ種
- 収穫量が多く栽培しやすいため、世界のカカオ生産量の約70%を占める
- 苦味と酸味のバランスがよく、クリオロ種よりも香りがやや強いのが特徴
- トリニダード種
- 収穫量が多く、栽培しやすいため、世界のカカオ生産量の約25%を占める
- 苦味と酸味のバランスがよい、コクのある風味が特徴
それぞれの品種の特徴をまとめると、以下のとおりです。
品種 | 特徴 |
---|---|
クリオロ種 | 高品質、苦味と酸味のバランスがよい、ナッツのような香ばしい風味 |
フォーラステロ種 | 苦味と酸味のバランスがよい |
トリニダード種 | コクのある風味 |
カカオニブを使ったデザートレシピ
私が毎日のコーヒータイムに作っている、カカオニブを使った簡単なデザートのおすすめレシピを紹介します。
材料を混ぜるだけなので、短時間で作れますよ。
バナナの代わりに(あるいはバナナにプラスして)ドライフルーツや他のフルーツ(リンゴ、ブルーベリー等)も試してみてください。
オーツは大体の商品が加熱処理されていないので、事前に「水を加えて4分ほどレンチン」が必要です(モチモチ食感になる)。
私は毎回4分もレンチンしたくないので、時間のある時に作り置き➡冷凍保存して、使うときに20秒ほど解凍のためにレンチンするようにしています。
また、オーブントースターで(焦げないように)アルミホイルで包んで15分程度焼いたものも作り置きしてあるので、これもサクサク食感をプラスするために使っています。
オーツ(モチモチ&サクサク食感)は、さまざまな食感を楽しむために入れているので、グラノーラなどでも代用可能ですし、無ければ入れなくても大丈夫です。
各食材の分量は、お好みで調整してください。
- ヨーグルトは、タンパク質やカルシウム、ビタミンB群が豊富に含まれています。
- ミックスナッツは、食物繊維や不飽和脂肪酸、ビタミンEが豊富に含まれています。
- カカオニブは、ポリフェノールや食物繊維が豊富に含まれています。
- オーツは、食物繊維やビタミンB群が豊富に含まれています。
- バナナは、カリウムやビタミンC、食物繊維が豊富に含まれています。
以下に、分量の調整例をいくつかご紹介します。
- ポリフェノールの摂取量を増やしたい場合
- カカオニブを増やす
- 食物繊維や不飽和脂肪酸の摂取量を増やしたい場合
- ミックスナッツを増やす
- 食物繊維やビタミンB群の摂取量を増やしたい場合
- オーツを増やす
- カリウムやビタミンC、食物繊維の摂取量を増やしたい場合
- バナナを増やす
ぜひ、お好みの分量で作ってみてください。
まとめ(補足情報を含む)
最近では、高カカオのチョコレートなど「体にいい」食物の情報を耳にする機会が増えました。
しかし、「体にいい成分」を謳っている製品の原材料名を見ると、「小麦粉」「砂糖」から始まって、「添加物」が大量に列挙されていて「ゾッ」とします。
ある「ブラックチョコレート」の原材料名(配合量の多い順に記載)
- 砂糖、カカオマス、植物油脂、全粉乳、ココアバター、レシチン(大豆由来)、香料
ある「フルーツグラノーラ」の原材料名(配合量の多い順に記載)
- オーツ麦(オーストラリア又はフィンランド又はその他)、ライ麦粉、砂糖、小麦粉、乾燥果実(パパイヤ、レーズン、りんご、いちご)、ココナッツ、デキストリン、植物油、米粉、コーンフラワー、水溶性食物繊維、かぼちゃの種、アーモンドパウダー、食塩、小麦ふすま、玄米粉、フラクトオリゴ糖シロップ、乳糖 / グリセリン、クエン酸鉄Na、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、加工デンプン、ナイアシン、パントテン酸Ca、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB1、葉酸、ビタミンD、ビタミンB12
「ブラックチョコレート」というと砂糖が少ない気がするかもしれませんが約50%は砂糖です💦
上記のチョコレートとフルーツグラノーラの成分のうち、特に健康被害が懸念される成分は、主に以下の3つです。
- 砂糖
砂糖は主要な甘味料であり、チョコレートで100gあたり約50g、グラノーラで100gあたり約30g含まれています。砂糖の過剰摂取は、肥満、糖尿病、心臓病などの生活習慣病のリスクを高めると考えられています。
- 小麦粉
小麦粉は、グラノーラのベースとなる原料であり、100gあたり約30g含まれています。小麦粉には、グルテンと呼ばれるタンパク質が含まれ、一部の人にアレルギーや不耐性を起こす可能性があります。
- 植物油
植物油は滑らかさとコクを出すために使用されます。植物油の多くは、トランス脂肪酸を含みます。トランス脂肪酸は、血中LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させ、血中HDLコレステロール(善玉コレステロール)を減少させるため、心臓病のリスクを高めると考えられています。
少量含まれている「添加物」の健康被害よりも、主原料であり摂取量が多い上記3つの成分の方が影響力がありますので、特に注意が必要です。
ある「フルーツグラノーラ」の添加物について
グリセリン、クエン酸鉄Na、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、加工デンプン、ナイアシン、パントテン酸Ca、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB1、葉酸、ビタミンD、ビタミンB12
上記の添加物について調べましたが、危険度は10段階で1程度(被害の可能性は低い)ようです。
しかし、個人的には「栄養価の数値を上げる目的で使用される「サプリメント」的な意味の添加物は迷惑だと感じています(サプリも使用しないので)。
皆さんはどうですか?特に気にしていませんでしょうか?
私は購入時には同じカテゴリーの商品を比較して「原材料名」がシンプルなものを優先的に選ぶようにしています。
最近では、グラノーラではなく、業務スーパーで「オーツ(Oat Flakes)」を購入しています。
オーツの原材料名は「えん麦」と書かれているだけ。つまり無添加ですよ。
食べる時にひと手間(水&レンチン4分)かかりますが、お値段は0.3~0.5円/g程度。コスパ最強ですね!
ちなみに、日本で、加工食品に使われている小麦粉がアメリカ産小麦である率は、約70%と予測されます。
推論の理由は、以下のとおりです。
- 日本は小麦の自給率が約14%であり、残りの約86%は輸入小麦に頼っている
- 輸入小麦の約70%はアメリカ産であり、カナダ、オーストラリアがそれに続く
- パン、麺類、菓子類など、多くの加工食品に小麦粉が使用されている
アメリカ産小麦は、品種改良により、グルテンが強くなり、モチモチ食感としては向上しているが、人体が消化できないようになっているという指摘がある
- グルテン:
- 小麦タンパク質の一種で、パンや麺類などの弾力やコシを出すために重要な成分
- アメリカ産小麦は
- 品種改良により、グルテンの含有量を増やし、強度を高めている
- しかし、グルテンが強すぎると、人体で消化されにくくなる可能性がある
- 品種改良により、グルテンの含有量を増やし、強度を高めている
- グルテンを消化するには
- 消化酵素の「プロテアーゼ」が必要
- グルテンが強すぎると
- プロテアーゼが働きにくくなり、消化されずに体内に残ってしまう
- 消化されないグルテンは
- 腸内で炎症を起こしたり
- 腸内環境を悪化させたりすることが指摘されている
また、グルテンが腸の粘膜を傷つけることで、食物アレルギーやセリアック病などの疾患を引き起こす可能性もある。
実際に、アメリカでは、セリアック病の患者数が増加しているという報告がある。
もちろん、すべてのアメリカ産小麦が消化できないわけではないが、品種改良により、グルテンの含有量を増やし、強度を高めたアメリカ産小麦は、消化が難しい可能性が高いと考えられる。
そのため、アメリカ産小麦を含む加工食品を摂取する際には、注意が必要。
カカオニブは原料のカカオを砕いただけで、余計なものが入っていないので安心です。
ぜひ、毎日のヘルシーなデザート&コーヒータイムにカカオニブを試してみてください。
おまけ:おすすめのカカオニブ
カカオニブを選ぶ際には、自分の好みの風味や香りに合わせて、品種を選ぶとよいでしょう。
以下に、私が実際に試してみてリピート購入している、おすすめのカカオニブを紹介します。
ちなみに、「原材料名」の欄はシンプルに「有機カカオ豆(ペルー産)」とだけ書かれています。
香ばしく、自然な甘さが感じられて、そのままポリポリ食べてもおいしいですよ。
ヨーグルトなどのトッピングやいろいろな組み合わせをチャレンジし、カカオニブを日常に取り入れて健康的な生活を心がけてみてください。
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