脱ブレンドコーヒー★ストレートコーヒーで豆の素顔を知ろう!
スーパーのコーヒー売り場でよく見かける「○○ブレンド」の表記を見てみましょう。
- ブレンドコーヒーの表記(公正競争規約)
- 「原材料名」の後に「コーヒー豆」と表示
- 括弧内に「生豆生産国名」の見出しを付けて
- そのコーヒー生豆の生産国名を全て表示する必要がある
- 国名を原則として重量の多い順に表示する必要がある
- 表記例:
- 業務スーパー:ラグジュアリッチ(白パッケージ)
- 原材料名:コーヒー豆(生豆生産国名 ブラジル、コロンビア)
- 業務スーパー:ラグジュアリッチ(モカブレンド)
- 原材料名:コーヒー豆(生豆生産国名 ブラジル、エチオピア)
- 業務スーパー:ラグジュアリッチ(白パッケージ)
- モカ・ブレンド
- エチオピア・モカ品種を30%以上使用すること
ブレンドコーヒーは、ざっくりいうと、「万人受け」を狙ったまとまった味わいです。
例えるなら・・・
- ブレンドコーヒー
- ちらし寿司(複数の具が混ざっている)
- 満腹になるまで同じ味
- 誰でも手軽に楽しめる
- ちらし寿司(複数の具が混ざっている)
- ストレートコーヒー
- 握りずし(それぞれの具を個別に堪能できる)
- 満腹になるまで様々な味を楽しめる
- 人によっては苦手な具がある
- 握りずし(それぞれの具を個別に堪能できる)
業務スーパーの2種類のラグジュアリッチは、ブラジルをベースに「コロンビア」か「エチオピア(モカ)」をブレンドして、味の特徴を「苦味とコク」か「スッキリした酸味」に振り分けています。
つまり、半分以上がブラジルなので、違いは半分以下の要素(「コロンビア」or「エチオピア(モカ)」)で出しているわけですね。
ここで「コロンビアだけならどんな味なんだろう?」「エチオピア(モカ)だけならどんな酸味かなぁ?」と思いませんか?
個性的な新しい味わいに出合いたいなら、「ストレートコーヒー(単一産地)」や「シングルオリジンコーヒー(単一農園)」を試してみる価値がありますね。
個性的なコーヒー豆3種類を試そう!
コーヒーに凝りだして、ブレンドからストレートやシングルオリジンに移行しようとするときに、様々な産地があって迷うはずです。
そこで、特に個性が際立っていると言われている3種類のコーヒー「マンデリン」「イルガチェフェ」「ケニア(浅煎り)」をご紹介します。
- マンデリン
- 味の特徴:
- 苦みとコクが強く、酸味は少なめの味わい
- シナモンやハーブのような香りが
- マイルドな舌触りで飲み心地も良い
- 産地:
- インドネシアのスマトラ島
- 標高1800m~1900mの肥沃な高原地帯
- インドネシアのスマトラ島
- 味の特徴:
- イルガチェフェ
- 味の特徴:
- レモンやグレープフルーツなどの柑橘類
- 花のような香り
- 透明感がある
- フルーティという表現が最も似合う
- ベリー系や柑橘系を彷彿とさせる華やかな香味
- やさしい甘みと良質な酸味、控えめな苦味
- 産地:
- 東アフリカのエチオピア
- イルガチェフェ地域(標高2,000m程)
- 東アフリカのエチオピア
- 味の特徴:
- ケニア(浅煎り)
- 味の特徴:
- 明るい酸味とフルーティな風味
- オレンジやグレープフルーツの酸味
- 蜂蜜のような甘い余韻が特徴
- 産地:
- 東アフリカのケニア
- 標高1,800m以上の地域
- 東アフリカのケニア
- 味の特徴:
コーヒー豆の素のポテンシャルを引き出す抽出方法
日本でコーヒーと言えば「ドリップ式」の抽出方法が一般的ですね。
イタリアではコーヒーと言えば「エスプレッソ」、フランスでは「フレンチプレス」トルコでは「イブリック」など、国によってコーヒーの抽出方法は違うようです。
同じコーヒー豆でも、淹れ方によってだいぶ味が違ってきます。
例えば「ドリップ式」の場合、コーヒー本来の味なのか、ドリップの上手・下手なのか判断が付きません。
しかし「このコーヒー豆が持っているそのままの味を知りたい」と思いませんか?
豆の「素顔」を知った上で、「甘さをもっと引き出したい」とか「後味をスッキリさせたい」とか、「もっとどっしりとした苦味とコクが欲しい」といった調整をするべきです。
では、コーヒー豆が本来持っている「素」のポテンシャルをそのままストレートに抽出する方法は?
それは「浸漬式」です。
プロがコーヒーを鑑定する際の「カッピング」も浸漬式!
プロがコーヒー生産国に行って、買い付けの際に「カッピング」を行います。
カッピングについては以下の記事をご覧ください。
コーヒー生産国で各コーヒー農家さんの豆(カップ)が100個とか200個とか並んでいて、どれを買い付けようか判断するそうです。
また、焙煎具合の確認もカッピングで判断するとのことですね。
シンプルな「浸漬式」で抽出する方法
「浸漬式」の淹れ方で有名な方式は「フレンチプレス」です。
フレンチプレスは場所をとるし、手入れも面倒だし、良いものは高価なので、まだ持っていないなら「茶こし(畳織り)」の購入をおすすめします。
◆用意するもの◆
- 茶こしを使う方法
- キッチンスケール
- コーヒーサーバー
- 目の細かい茶こし(畳織り)
- 用意できない場合はドリッパーとペーパーフィルタで代用
- コーヒー粉(中挽き程度)
- 1杯分:10g
- お湯(90℃以上の熱湯)
- 1杯分:180ml(粉の18倍)
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◆抽出方法◆
抽出方法
- コーヒーサーバーに分量のコーヒー粉を入れる
- タイマーを4分にセットしてスタートと同時にお湯を注ぐ
- 4分経ったらお湯に浮かんだ粉をスプーンですくいとる(目詰まり防止)
- カップに茶こしをセットしてコーヒーを濾す
- 多量の粉が茶こしに入ると目詰まりするのでほどほどでやめる
- すでにフレンチプレスを持っている場合は
- 分量の粉とお湯を注いで4分➡プランジャーをゆっくり押し下げる
浸漬式は4分もコーヒー粉とお湯が触れ合っていて、かなり濃くなりそうな印象がありますよね?
しかし実際はコーヒーの成分がお湯に溶け出していき、成分が拮抗することで抽出が終わります。
むしろ、浸透式(ドリッパーなど)の方が、コーヒー粉に常に新しいお湯が触れるため、濃く淹れることができたりもします。
浸漬式で、「中挽き」「コーヒーとお湯の割合(1:18)」「湯温(湧きたて)」「浸漬時間:4分」などのパラメータを毎回同じにすれば、条件を揃えて豆の持ち味を比べることができます。
簡単で失敗が無い抽出方法なので、新しいコーヒー豆を手に入れた際には、ぜひ試してみてください。
その後で自分の好みの方向に、ドリップレシピを考えて、試行錯誤すると良いと思います。
追記:「浅煎り」コーヒー豆の購入で失敗したときのリカバリー手順
最近は浅煎りのフルーティーな酸味にハマって、色々なコーヒー豆を「焙煎度が選べる」ショップで購入しています。
浅煎りのおいしさに目覚めると、古いコーヒーの概念(コーヒーとは苦味とコクの茶色い液体)が崩れて「コーヒーの世界」の幅が広がりますよね。
ところで、浅煎りのコーヒーには「ダブルウォール」のカップが合うと思いませんか?
私はいつも「ダブルウォール」のカップで、浅煎りコーヒーの爽やかな色を楽しみながら飲んでいます。
しかし色々と試してみると、浅煎りが合わないコーヒー豆もあるということが、体験を通してわかってきました。
具体的にどのように「浅煎りが合わない」かというと、こんな感じ。
- 酸味に「爽やかさ」「フルーティーさ」が感じられない
- かといってボディー感やコクもなく全体的に平坦な印象
「浅煎り」の命はおいしい酸なのに、浅煎りにしてもおいしくない酸のコーヒー豆って・・・
何でもかんでも「浅煎り」にすればいいということでもないんですね。。。
「おいしい」と感じられないままで飲み続けるのも嫌なので、何とかしなければと、フライパンで再焙煎して、焙煎度を上げる・・・などを考えましたが面倒なので実行できていませんでした。
ちなみに「浅煎りが合わない」「もうちょっと深煎りがよかったかな」と感じた豆はこれらです。
- ブラジル・カフェインレス 浅煎り
- ウガンダ・アフリカムーン 浅煎り
君たちは「酸味」よりも「苦味とコク」が持ち味だったんだね・・・
苦味とコクを引き出す
もっと楽に「焙煎度が上がった状態=苦味とコクを引き出す」方法は?ということで、やってみてうまくいった方法がこれです。
- グラインダーの挽き目
- いつもより細かめに調整
- ブリューレシオ(抽出比率)
- お湯に対する粉の比率を増やす
- 普段「1:16」なら「1:15」など
- ドリップは細いお湯でゆっくりと静かに注ぐ
- 熱湯に近い高温の湯で蒸らす
- 浅煎りは抽出効率が悪いので高温で効率を上げる
- 蒸らす湯量は少な目に
- ケトルの蓋を開けて抽出
- 雑味が出るタイミングを遅らせる狙い
- (+ひと手間)ドリップケトルに移し替えて後半の抽出
- 特に最後は雑味が出やすいので湯温をもっと下げる目的で
- 雑味が出ないなら移し替えは不要
- もともと浅煎りは雑味が出にくいので、最後まで熱湯でOKかも
飲んでみた結果、「あれ?今までと全然ちが~う」「う~ん、コレコレ!うまい!」と大変満足しました。
今回の抽出方法を試したことで、ドリップの調整で焙煎度が上がったような効果が得られることがわかりました。
逆に「もっと浅煎りが良かったのに~」の場合も対応可能ですね。
- ブリューレシオ(抽出比率)
- 粉に対する湯の比率を上げる
- 湯温を低めにして強めに注ぐ
- 蒸らす湯量は多めにしてスプーンで撹拌
- 短時間で抽出を終える
- 落ちきりに時間がかかる場合は挽き目を粗く調整
- 落ちきる前にドリッパーを外す
- 苦味成分が抽出される時間を短くする
- 苦味が減ることで酸味が生きる
あと、フラワードリッパーDEEP27でV60と同じように抽出するとボディー感が出るので、今回も使っています。
目的に応じて使い分けていますが、なかなか良いですよ~。
上記の検証ではDEEP27を使っておいしく淹れられたので、V60でも同様に試してみましたが、コクが足りなくなんだか物足りない味わいで、少し残念な結果となりました。
コクが欲しい場合はDEEP27、浅煎りでスッキリとした酸味を表現したい場合はV60という使い分けが良いようです。
エイジングによる変化
コーヒー豆は焙煎後、時間経過とともに風味や味わいが変化します。これがエイジングと呼ばれるものです。
- エイジングによる主な変化
- 香り
- 焙煎直後は酸味が強く、時間が経つとまろやかに
- チョコレートやナッツのような香りが強くなる
- 味わい
- 焙煎直後は苦味が強い
- 時間が経つと酸味がまろやかになる
- 甘味とコクが増す
- ボディ
- 焙煎直後は軽い口当たり
- 時間が経つと重厚な口当たりに
- 香り
すっごく簡単に言うとエイジングは「焙煎度が上がる」ような変化が伴う現象といえます。
(・・・厳密には全く違うプロセスです)
エイジングを劣化(ネガティブ)と捉えるだけでなく、焙煎度がゆっくり進んでいくとポジティブに捉えることも可能ですよね。
「しまった~浅煎りにし過ぎた~・・・」という場合は、しばらく放置(?)して酸味よりも甘さとコクが優位に出てきた頃に飲んでみましょう。
その豆が持つ本当の味わいに出会えるかもしれませんよ。
しかし、エイジングの「鮮度が落ちていく」という側面を無視するわけには行けませんので、次回は1段階以上深い焙煎度で購入したいと思います。
エイジングを遅らせる保存方法
「色々なコーヒー豆を試したくて次々に購入したコーヒー豆が溜まって消費が追い付かない・・・」ということがコーヒー沼にハマった人のあるあるですね。
エイジングを遅らせて「飲み頃」をコントロールしたい場合には、「冷凍保存」がおすすめ。
使う際は冷凍庫から出してすぐグラインドで問題ありません。
その豆を飲み続けるなら、そのまま常温保存に切り替えても大丈夫です。
むしろ冷凍から即グラインドの方が豆が締まっていて「微粉」が出にくいという説もあるので、試してみる価値ありですよ。
「酸味系」「苦味とコク系」どちらを先に開封するか
何種類かのコーヒー豆のセット商品や、実店舗でまとめ買いした場合に、どの順番で飲むか悩むことはありませんか?
これは「酸味系」「苦味とコク系」とそれぞれのエージングによる味わいの変化を考えれば答えが見えてきます。
- エージングによる味わいの変化
- 酸味系
- 酸味が失われていく
- エージングは好ましくない
- 酸味が失われていく
- 苦味とコク系
- 苦味とコクが増していく
- エージングによる味の変化を楽しむことが可能
- 苦味とコクが増していく
- 酸味系
「酸味系」はその特徴である酸味がエージングによって失われていくので、優先的に消費するとよいでしょう。
小分けにして冷凍すると酸味をキープしながら長く楽しめますよ。
「苦味とコク系」はエージングによる味変も結構楽しいので、(購入した量や季節にもよりますが)常温保存でゆっくり楽しんでいます。
ご参考まで。
まとめ
最近よくコーヒーバリスタの方々の動画を視聴して、色々なドリップの方法を学んでいます。
しかし、基本となる抽出方法の「パラメータと味わいの関係」が頭に入っていないので「こんな風に淹れるといいらしい・・・」という曖昧な理解でとどまっていました。
たしかにバリスタのまねをして入れてみると、おいしいコーヒーにはなりますが、何か物足りない!
「もっと自分好みの味に近づけたい!」
「・・・でも、どうしたらいいのかな?」
今回調べてまとめた情報を頭の中にインストールした状態でバリスタの方々の動画を視聴すると、バリスタの方々が、「なぜそういうレシピで淹れるのか」が分析的にわかってくるはずです。
この段階でやっと、バリスタの方々のレシピを応用できるようになってきますね。
次の段階は、自分だけでなく他の人の好みに応じて瞬時に淹れ方を変えられるようになることです。
さあ、おいしい一杯のコーヒーのために、一緒に学んでいきましょう。
この記事は、新に得た情報によって加筆修正していきますので、時どきチェックしてください。
よろしくお願いします(=^・^=)
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