超伝導とは
超伝導(ちょうでんどう、superconductivity)とは、ある一定の温度以下で、ある種の物質が電気抵抗を示さなくなる現象のことです。
すなわち、電流を通すと、物質の内部でエネルギーが散逸せずに流れ続けるため、エネルギー効率が非常に高くなります。
超伝導は、低温物理学の分野で研究されており、多くの超伝導物質が発見されています。
超伝導物質は、通常、金属や合金、セラミックス、有機化合物などで構成されています。
超伝導は、1911年にオランダの物理学者ヘイケ・カメルリング・オネスが発見しました。
当初は、超伝導現象は極低温下でしか起こらないと考えられていましたが、1960年代以降、新しい種類の超伝導物質が発見され、より高温下でも超伝導が起こることが明らかになりました。
超伝導物質には、超伝導状態を示す臨界温度(Tc)と呼ばれる特定の温度があります。
Tcよりも高い温度では、物質は通常の導体として振る舞いますが、Tc以下になると、物質は超伝導状態に移行し、電気抵抗が完全になくなります。
超伝導は、医療、通信、エネルギー伝送、高速コンピューターなど、様々な分野で応用されています。
特に、高速鉄道やMRI検査機などの技術には、超伝導物質の使用が欠かせません。
磁石を浮かる原理は?
磁石を浮かせている現象は、磁気浮上と呼ばれ、磁気力を利用して物体を浮遊させる技術です。
一般的に、この現象は永久磁石と超伝導体を使用して実現されます。
超伝導体は、一定の温度以下に冷却されると、電気抵抗がゼロになり、磁束を閉じ込めることができる特性があります。
永久磁石を超伝導体の上に置くと、磁場が生じ、超伝導体内に誘導電流が発生します。
この誘導電流は、磁場と反対方向に磁場を発生させることで、超伝導体に磁場を閉じ込めます。
このため、永久磁石が超伝導体から離れようとすると、超伝導体が反磁場を発生させ、磁気力によって永久磁石を浮かせることができます。
磁気浮上
- 超伝導体は、一定の温度以下に冷却されると
- 電気抵抗がゼロになり、磁束を閉じ込めることができる特性がある
- 永久磁石を超伝導体の上に置くと
- 磁場が生じ、超伝導体内に誘導電流が発生
- 誘導電流は
- 磁場と反対方向に磁場を発生させることで、超伝導体に磁場を閉じ込める
- 永久磁石が超伝導体から離れようとすると
- 超伝導体が反磁場を発生させ、磁気力によって永久磁石を浮かせることができる
この原理を利用して、磁気浮上技術が開発され、高速鉄道や磁気浮上式リニアモーターカーなどに応用されています。
また、超伝導体の磁気浮上現象は、将来的には浮遊式の高速リニアモーターや高速エレベーターなどにも応用されることが期待されています。