腸内環境を整える効果が期待される「レジスタントスターチ」の解説です。
レジスタントスターチとは?
レジスタントスターチとは、ヒトの小腸まででは消化されず、大腸に届くでんぷん、および、でんぷん分解物の総称です。
「レジスタント」=「消化され難い」、「スターチ」=「でんぷん」という意味であり、難消化性でんぷんまたは耐性でんぷんとも呼ばれます。
レジスタントスターチは、食物繊維の一種と考えられており、血糖値の上昇を抑えたり、腸内環境を整えたりといった効果が期待されています。
レジスタントスターチの利用方法
レジスタントスターチは、普段の食事から摂取することができます。
レジスタントスターチを多く含む食品としては、以下のようなものです。
- 未精製穀物
- 玄米や雑穀米、全粒粉など
- イモ類
- さつまいも、じゃがいも、里芋など
- ナッツ類
- アーモンド、クルミ、カシューナッツ
- 豆類
- 大豆、黒豆、緑豆など
- 発酵食品
- グリーンバナナ
これらの食品を積極的に摂取することで、レジスタントスターチを効率的に摂取することが可能です。
また、近年では、レジスタントスターチを粉末状にして加工した製品も販売されています。
これらの製品を活用することで、より手軽にレジスタントスターチを摂取できるでしょう。
レジスタントスターチが豊富なグリーンバナナ
「グリーンバナナ」は熟したバナナよりレジスタントスターチが豊富です。
岐阜大学の研究によると、熟すにつれてレジスタントスターチの含有量は減少し、熟したバナナではほとんど存在しないことが明らかになりました。
グリーンバナナ100gあたりのレジスタントスターチの含有量は、約12gとされています。これは、熟したバナナの約10倍に相当します。
レジスタントスターチは、消化されずに大腸まで届き、腸内環境を整えたり、血糖値の上昇を抑えたりといった効果が期待されています。
そのため、グリーンバナナは、腸内環境を整えたい方や、血糖値のコントロールに役立てたい方などにおすすめです。
レジスタントスターチのメリット
レジスタントスターチには、以下のメリットが期待されています。
- 血糖値の上昇を抑える
- 腸内環境を整える
- 便秘を改善する
- 肥満予防に効果的
- 生活習慣病の予防に効果的
レジスタントスターチの効果を高める方法
冷やすとレジスタントスターチの量が増えます。
これは、冷やすことででんぷんの構造が変化し、消化酵素が働きにくくなったためと考えられています。
一方、レジスタントスターチは、加熱すると消化されやすくなります。
これは、加熱によってでんぷんの構造が変化し、消化酵素が働きやすくなったためと考えられています。
具体的には、4℃~6℃の低温で保存すると、レジスタントスターチの量が最も多くなります。
とはいえ、4℃~6℃の低温で食べると体を冷やしてしまうので、食べる時は常温程度にしましょう。
- ゆっくり冷えると
- デンプンの紐が縮む
- ➡レジスタントスターチになる
- デンプンの紐が縮む
- 急速に冷凍すると
- デンプンの紐が縮まない
- ➡レジスタントスターチにならない。
- デンプンの紐が縮まない
また、加熱してから冷やすよりも、生で冷やす方がレジスタントスターチの量が多くなります。
そのため、レジスタントスターチをより多く摂取したい場合は、加熱した食品を冷ましてから食べるとよいでしょう。
例えば、冷やご飯や冷やし中華、ポテトサラダなどです。
- 夏場は冷蔵保存から軽くレンチンなどで常温程度まで温める
- 夏場以外は
- ご飯などは食事前に常温程度まで冷ます
- ポテトサラダなどは食事前に常温で置いておく
ただし、すべての食品が加熱して冷やすとレジスタントスターチが増えるわけではありません。
例えば、長芋は生でも食べられるため、加熱することでレジスタントスターチが大きく減少するので、加熱が不要な食材は生のまま用いましょう。
レジスタントスターチの注意点
レジスタントスターチは、体内で発酵するため、過剰に摂取すると下痢や腹痛などの症状を引き起こす可能性があります。
1日あたりの摂取目安量は、10~20g程度とされています。
また、レジスタントスターチは、水に溶けにくい性質があるため、十分な水分と共に摂取することが大切です。
まとめ
レジスタントスターチは、近年注目されている健康成分のひとつです。
炭水化物を冷まして食べることで、手軽にレジスタントスターチの恩恵にあずかることができます。
さまざまな健康効果が期待されているため、普段の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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